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原初生命体としての人間

野口体操の理論
野口三千三
(株)岩波書店/1040円+税

 「生きている人間の体は、皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内蔵も浮かんでいるのだ」という独特の身体観を持つ著者。自らのからだの動きの実感から生み出された理論を述べる本書は、従来の身体観とはまったく違う視点を持っている。彼が考え出した体操は、基本的に体が気持ちいいと感じる方に動かしてゆくものだ。筋肉に負荷を与えて無理に鍛えるのではなく、ただただ体の感覚に身をまかせという発想がおもしろい。そうしていくうちに、自然に体が育ち、人が言葉や頭で物事を理解しようとしがちな事柄を、体全体をつかって感じたり理解してゆくことが可能になる。
エクササイズやダイエット、エステなど西洋的な発想の中には、体を外部からの刺激によって加工していく、という感覚があるようだ。それとは全く逆の発想で、体を受けとめることで、今までの固定観念がくずれてゆく。知性や精神も体と深くつながており、体が育っていかない限り、その先に進めないものだ。西洋的発想にはない、身体を育てるという発想を与えてくれる本である。文庫。

文庫
判型:A6判
タテ148mm × ヨコ106mm
297頁
2003年6月14日
ISBN:9784006030803
金額:
¥1,123 (税込)
数量:
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