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死ぬ瞬間

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死とその過程について
E・キューブラー=ロス
中央公論新社
死は恐るべきもの、不幸なことと考えられがちな文化では、死に対する心構えや理解も生じにくい。特に現代社会では、日頃、死に接する機会が少なくなり、どうしても、「普段は考えないようにしているもの」になってしまっている。しかし、インドでは「メメントモリ(死を想え)」と言うように、死は、生を豊かにしてゆくための非常に有効な要素にも成りうるのだ。カスタネダに対するドンファンの言葉の中でも、「力を得るためには、死を最高の友達にしろ。」と言っている。本書では、死期が近い末期患者に接することによって、患者達の死の受容の段階と、いかに接するべきかを研究した先駆者である著者の代表作である。後に、「クオリティ・オブ・デス」という発想を中心にした、新しい流れの原点を生み出した本とも言える。一般的に、死への理解が深まる研究へとつながる大きな足掛かりとなった。欧米では、エイズやガンの問題を真っ向からとらえて、早くからホスピスなどの施設も次々に生まれてきている。日本でも徐々にそのような動きが生まれてきているが、まだまだ社会の中でオープンに語られるところまでは来ていないようである。


文庫
ISBN:9784122037663