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風邪の効用

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野口晴哉
筑摩書房
風邪をひくと、何も考えずに薬を飲んで一刻も早く治してしまおうとする私達の観点を180度くつがえす本書。風邪は、体が悪い状態になっているわけではなく、むしろ偏り疲労を正常な状態に戻し、より進化するための兆候であるとの考えは、かなり斬新なものである。しかし、もともと抗生物質はペニシリンの青カビを代表として、各種のカビによって作られたものであるし、最近では結核患者にガンが異常に少ないことから、結核菌を使う丸山ワクチンが生まれている。体内にあるカビ類や細菌ウィルス等の働きはまだ十分に解明されていないが、体験的に考えてみてもそれらの菌を排除するのではなく、共存する発想を持つことによって身体の健康は保たれていくのかもしれない。また、ウィルスの働きが、動物の肉体的な進化に重要に関与していることは間違いないといわれている。エイズによって人類が変わる可能性すらあるのではないだろうか。体の自然な働きが、いかによくできているかを知ることによって、自分の体を信頼することを教えてくれる本。

文庫
判型:文庫判
タテ150mm × ヨコ106mm
212頁
2003年2月1日
ISBN:9784480038074