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ことばが劈かれるとき

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竹内敏晴
筑摩書房
幼い時に耳を患い、12歳から16歳の間は耳が全く聞こえず、喋ることもできずに外界とのコミュニケーションを断たれていた著者は、必死に言葉を回復しようと試みる過程で言葉と体のつながりを深く追求することとなる。私たちが普段発している言葉は、他人に対して本当に届いているのか? 世界に対して開いているのだろうか? 一度、感覚的に自分の発した言葉をモノとして捉えてみるとよくわかる。ボールを相手の胸に投げるように、言葉を発しているか、それともどこか遠くの方に投げているか、自分の目の前に落っことしてはないか。コミュニケーションの原点がたぶんここにあるのだろう。世界を拒否している人の体はこわばっている。声も通らない。体が開き、心も開いている時、初めてまっすぐな言葉が投げられるのかもしれない。体、健康についてはこの著者以外にも、地道な研究を行った本が数多くあり、それぞれ価値があり、すばらしい。それは知識による研究ではなく、本当に身を持って学んだことから出てくる言葉だけが持っている輝きなのだろう。

文庫
320頁
1988年1月26日
ISBN:9784480021786