イヴァン・イリッチ
晶文社
根本的には病人がなくなる方向へ向かうことが理想であるはずの病院が、実際には病人ばかりを増やしているのは何故なのだろうか?それは、病人を無くすという目的よりも、病院経営のための経済性や、医療技術のさらなる発達などに重点を置いていることが問題なのかもしれない。西洋医学は、戦場において兵隊をすぐに前線に復帰させることを目的とし、即効性に重点が置かれて発展をした。それとは全く対照的な東洋医学がもてはやされているが、つまるところ組織化された医療の発想がある限り、東洋医学も五十歩百歩と言えるのかもしれない。病院がなくなる方向へと向かう医療をつくり出すことは可能なのだろうか? 本書では、著者イリイチが、「病院が無い社会」というものを真剣に考えている。もう古典とも言えるような古い本になってしまったが、その熱意は今でも伝わってくる。社会を変革しようという思いを現代の日本人はないがしろにしている感があるが、今一度、再認識する必要があるのかもしれない。古書。
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単行本
判型:B6判
タテ190mm × ヨコ136mm
325頁
1979年1月1日