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ブッダ 神々との対話

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サンユッタ・ニカーヤⅠ
中村元 訳
岩波書店
紀元前600年頃に誕生した仏陀は教典を何も残さず世を去った。死後、弟子たちが生前の言葉をまとめながらグループを支え、さらに500年を経て、仏教という教団がが作られたと言う。仏教はその後、中国を経緯しながら日本に到達し、もまれながら現在の形を作っていった。しかし、日本の仏教と、仏陀が残した教えとの間には、かなりの相違が生み出されている。禅や密教にしても、場所と時間を経過していくうちに洗練され、日本の中で結晶化したはずの仏教の一宗派であるが、結果的にまったく新しい思想を作り上げてしまったことが、原始仏教と比べてみるとよくわかる。一応、仏教の名を借りてはいるが、オリジナルな意味での仏陀の教えとはかけ離れてしまっている。本書「ブッダ 神々との対話 」や同じ岩波書店から刊行されている「ブッダ悪魔との対話」は、仏陀の死後間もない内に、弟子がその言葉をまとめたものである。いわゆる原始仏教の時代である。後生の僧が作り上げた洗練された教典と違い、仏陀の生き生きとした様子が伝わってくる。神々や悪魔たちと会話することなど、今の仏教に慣れ親しんでいる私たちにとっては常識を覆す内容だが、そのやりとりは非常に興味深いものである。文庫。

文庫
判型:文庫判
タテ148mm × ヨコ106mm
351頁
1986年8月18日
ISBN:9784003332917