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自然と象徴

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ゲーテ
冨山房
人間が自然をどうとらえてきたかを考えると、古来から自然との共存を軸にした東洋思想や、自然を支配しようと試みてきた人間の優位性をかかげる西洋など、文化や時代によって違いがある。そもそも人間を自然の内部と見るのか、外部と見るのかでその判断はわかれるところであるが、意志を持った存在である人間にとって、自然界は矛盾に満ち満ちた世界であると言えるだろう。人間を自然の一部と見るならば、人間が作り出す人工物でさえ、また自然と見ることができる。要は、視点をどこに持っていくかということだ。このようにして、人間は際限の無い思考の世界に入っていき、自分で「ここまで」と、とりあえずのゴールを決めない限り、考え続ける。詩人、文学者として名高いゲーテであるが、自然科学の分野でも多くの論文を残している。その自然観は科学的な見地に片寄る事なく、直観や神秘主義的な考えも反映された、独自なものである。卓越した知性が、自然と向き合った時、何を感じるのか。その感覚は、現代においても色あせることなく、読む者に感銘を与える力を持っている。

ISBN:9784572001337