全生社
元気、雰囲気、活気など日本語では「気」という言葉が日常的によく使われている。人体や人間の精神から発せられる見えない力を指している「気」については、なんとなく取り上げられ方がいかがわしかった面もあり、最近まではほとんど受け入れられない存在だったが、今では批判はありながらも、一般的な言葉として仲間入りしつつある。毛沢東の時代、中国では「気」は弾圧を受けていたそうが、現在の中国では人気が復活し、様々な医療や健康法などの分野で高く評価されていると言う。日本の身体的「気」の第一人者である野口氏の「愉気法」では、「輸」ではなく「愉」という文字を使うことによって、新しい世界を作りだそうとした。「気」の流れの持つ性質、体や心との関係を、それまでにない感覚でとらえようとしたのだろう。「気」と言うのは個人のだけ中でめぐっているものではない。「気」にも様々なレベルがあるに違いない。これからは、人間の関係性としての見えない「気」が、すべてをつくり出していく時代となっていくかもしれない。
単行本(ソフトカバー)
判型:A5判(148×210)
200頁
2005年12月2日