日本ヴェーダーンタ協会
ヨガは紀元前数千年前にはすでにその体系が完成されていたと言われている。ふつうヨガと聞くと肉体的な修行を行うハタヨガをまっ先に連想しがちだが、本来は哲学的思想を含む総合的な体系がある。例えばスワミ・ヴィヴェーカーナンダが述べるヨガの体系は4つある。「バクティ・ヨーガ」は、神への徹底的な愛によって真理に至るものである。「カルマ・ヨーガ」は、日常の仕事を通して真理を悟る道である。「ラージャ―・ヨーガ」は、王者のヨガと呼ばれ神秘主義的な道である。そして、「ギャーナ・ヨーガ」は、思考を極めることによって真理にいたる道である。人はそれぞれ自分の本質にあった道を通り、真理へ到達しようとしているのだ。たとえば、この著者による「ギャーナ・ヨーガ」を読んでみるとわかるが、へたな哲学書を読むよりも、はるかに明晰な言葉で、存在の意味や宇宙について説明してくれる。非常に頭がすっきりするので、自分がギャーナ・ヨーガの人であると思い当たる人は、一度読んでみるといい。ヴィヴェーカーナンダ自身が非常に高度な知性を持った人であったこともよくわかる。
単行本(ソフトカバー)
判型:B6判(128×182)
347頁
1993年7月14日
ISBN:9784931148215