河出書房新社
世界はイメージによって形づくられる。「老いる」ということに関して、世間一般の概念も例外ではない。老化はある世代にとっては大きな恐れとなるが、それ以外は無関心が殆どであろう。老化=死という考えしか浮ばないようだったら要注意。果たして老化の目的とはなんであろうか。本書では老いるという事は生まれ持った素質と、今まで経験してきたことによって彩られた性格(キャラクター)が前に出てくる時期と著者はいう。その性格というのは結構生々しいもので、ただ時間を過ごすことによって人格が成長するとか円熟するということとは無縁の世界なのである。老いることによってその人の生まれ持った魂がますます露になり、その露になったものを成就させるために老化があるという。そしてその性格はもちろん世界に2つとないオリジナルなものとなる。「魂のコード」のヒルマンが、ステレオタイプの「老い」に対するイメージを解体する。
単行本
判型:B6判
タテ190mm × ヨコ132mm
275頁
2000年9月1日
ISBN:9784309242316