リチャード・ドーキンス
早川書房
進化論の祖、ダーウィンは、世間から「悪魔に仕える牧師」とそしられるのを恐れていたという。本書は、『利己的な遺伝子』によって、世界中に衝撃を与えたドーキンスが、様々な角度から思索する、初のエッセイ集だ。独自の切り口で、神、迷信、権威の盲進に対し、鋭い切っ先を突き立てる。代替医療や宗教的感覚についても、容赦はしない。その根底に流れているのは、「真の科学的思考とは何か？」という命題。スピリチュアルな分野に関心のある人にとっては、受け入れがたいであろう論理も、随所に見られる。しかしだからこそ、この本を読む価値が生まれてくる。著者自身、自分の存在を賭けてエッジに立つという生き様を選んでいるのだ。その勇気と誠意を受け止められるだけの知力を、読者は試されているのかもしれない。
単行本
判型:B6判
タテ190mm × ヨコ136mm
451頁
2004年4月23日
ISBN:9784152085658