アトゥール・ガワンデ
みすず書房
老いや不治の病は遠くない死を意味している。だがそれを知っていることと、実際に死を受け入れることは全く別の問題であり、それは当事者本人だけではなく、家族にとっても同様だ。医学の進歩によって死への時間が引き延ばされたことで生まれた、いつどのように死と向き合うべきなのかという問題。患者や家族だけではなく、多くの医療従事者たちでさえ対応する覚悟ができていないことは、本書で語られる描写や心象から明白だ。最期の時を自律した心で豊かに迎えるために、今をどう生きるべきか。私たちが自身の問題として自らに引きつけずにはいられない課題について、現役の外科医である著者が、父を看取った経験やホスピス、介助付きホームなどへの取材をもとに、現状の問題をためらうことなく明らかにし、未来への展望を語る。
単行本(ハードカバー)
判型:B6判(128×182)
278頁
2016年6月24日
ISBN:9784622079828