KADOKAWA
五・七・五という17文字に世界のすべてを詠みあげる俳句。人類学者と俳人のダイナミックな俳句論が交わるこの対談本では、縄文、松尾芭蕉、そして現代へと時の断層をつきぬけて、日本という大地の深層に広がるアニミズムの海に潜っていく。本書によると、非人間的なモノや動物や植物の眼で世界を認識し、人間ならざる世界と回路をつくっていく俳句の本質はアニミズムだという。文明によって自然から遠ざかってしまった現代に生きる私たちは、日本の大地が生んだ俳句という表現から、天と地とのつながりを結び直していくことも可能なのではないか。文明社会に背を向けて生々しい自然へと飛び込んでいった松尾芭蕉の「おくのほそ道」や現代の俳句界から2人が厳選したアニミズム俳句は、読者を深いアースダイビングの旅へと誘ってくれるだろう。
ISBN:9784044001551