青土社
細胞、DNA、脳神経に刻まれた38億年の命のつながりから見えてきたのは、「人間は生きものであり、自然の一部である」というあたりまえのこと。生命の歴史を読み取る「生命誌」の第一人者である理学博士が、生きものの暮らしにくい社会から、命の声に耳を傾ける社会づくりを提案。
【著者紹介】
中村桂子(なかむら けいこ)
1936年生まれ。東京大学理学部化学科卒業、同大学院生物化学修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。多様な生物に受け継がれている生命の歴史を読み取る「生命誌」を提唱、1993年にJT生命誌研究館を設立し、副館長に就任、2002年から館長。『ゲノムに書いてないこと』(青土社)、『絵巻とマンダラで解く生命誌』(青土社)、『知の発見 「なぜ」を感じる力』(朝日出版社)など著書多数。2007年に大阪文化賞、2013年にアカデミア賞を受賞。
【目次】
はじめに
第1部 生命と科学
真の科学を呼び戻すきっかけに
豊かな想像力に支えられた「生きる力」
生命革命の提案
生成の中に生命の基本を探る
素直に考えれば答は見える
第2部 思慕と追憶
明るい食卓の喜び
全ての子どもに母の手料理を
あるがままのまどさんの世界
巨人を仰ぎ見る小人
夢好みの世界を追って
思いきり個人的な柴谷論
第3部 生活と視点
爽やかな風が吹くとき
賢治に学ぶ「本当のかしこさ」
自然の物語りを聞く
女性科学者の時代
おかしな競争を生む社会
時代をつくり続けるワトソンとDNA
ニホンミツバチに学ぶ
ミミズを見て心について考える
生命誌は「ふしぎの国」
おんなの子という本質を求めて
あとがき
初出
単行本(ソフトカバー)
判型:四六判
ISBN:9784791769711