佐藤友亮
朝日新聞出版
解明出来た部分と出来ない部分を厳しく分けて取り扱い、分析的な追求を最善とするのが西洋医学の特徴だ。自然科学と医学の革命的な出会いによって、俗説や偉人の説に則った診断は覆され、飛躍的な発展を遂げた一方で、エビデンスに依らないものは「分からない」という言葉に回収されることになった。しかし実際の臨床では緊急の判断が必要とされる場合も当然あり、また、患者やその家族とは感情を伴う言葉のやりとりを行わなければならない。そしてそこに身を置き、実際に行動を起こしているのは医師自身の身体だ。感情変化と誤診、感情の起こりと身体の関係、そして著者自身が実践を重ねてきた武道における東洋的身体の捉え方など、武道家であり現役医師である著者が、統合的な身体、身体知性の可能性を論じる。
ISBN:9784022630643