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グローバル・ブレイン

2,090(税込)

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情報ネットワーク社会と人間の課題
ピーター・ラッセル
工作舎
ニューサイエンスの潮流は、地球を一つの生命体と考えるガイア思想を多くの人の感覚に植え付けた。この考え方は、一時期、ブームを引き起こしもしたが、潮がひいいた後でも消えてなくなるということは無く、むしろ新しい常識として一般的な教養として定着しつつあるようである。

本書もガイア思想の一つとしてよく知られるものであるが、「情報」や「ネットワーク」の捉え方が、より現実的で具体性を帯びているのが特徴だ。「地球は一つの生命体であり、地球上に張り巡らされている情報ネットワークはその生命体の神経のようなものである」という考え方は、現在のインターネットの普及を予言するかのようである。

進化という側面から見た時に、あくまでも人間単体の進化はどうなっていくのかを考えるより、シフトをチェンジさせることで、関係性としての進化を提示して見せたところがおもしろい。科学的な読み物ではあるのだが、これからの未来に対して、明るさを感じさせてくれるという意味では、楽しい小説のようでもある。16年以上も前に書かれているが、その観点の鋭さは現在でも大いに参考になる。

単行本(ハードカバー)
判型:B6判(128×182)
370頁
1973年3月14日
ISBN:9784875021360