全生社
著者の野口晴哉は、関東大震災と2度に渡る世界大戦をくぐり抜け治療家として多くの人に触れてきた。治るものは治り、死ぬものは死ぬ。本書は、身体と精神性、人間の存在について、類い稀な指針を提示した著者の根本思想。しかし、この書籍の発行を境に彼は、「治療」行為に一つの区切りをつけた。なぜなら人間誰しもが持っている、生きよう、治ろうという心の自然なあり方が、治療という手を加えることにより、依存の関係が生まれてしまうからだという。体だけでなく、人間の潜在意識までも視野にいれた著者のスタイルは、その後「体癖」という個々の身体構造の研究に大きな流れを注ぐ。
単行本
判型:A5判(148×210)
140頁
1999年4月18日