（株）山と溪谷社
詩人、哲学者であり音楽や絵にも造詣の深い串田孫一が野山を彷徨する中で、自然の風物や自己の内面に思索を巡らす随想集。1975年に実業之日本社から刊行されて以来、登山愛好家のみならず一般の読者からも愛読されるロングセラー。今作は、相次ぎ出版された「山のパンセ２」「山のパンセ３」を含めた合本として山と渓谷社から文庫化されたもの。飾らない易しい語り口だが、何度も読み返したくなる味わい深さがある。串田文学を代表する山の名著は、シンプルな山での時間だからこそ、世界や自分と深く丁寧に対峙することが可能になると教えてくれるよう。
2013年10月5日
ISBN:9784635047654