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時計の歌

2,530(税込)

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野口昭子
全生社
折にふれて感じたこと、思い出したことを、先に『朴歯の下駄』として一冊にまとめたが、あれからもう5年、また『月刊全生』に書いたものが可成の量になってしまった。おすすめ下さる方々があって、まとめることにした。
 文中、「先生」とあるのは、野口晴哉のことである。ある方が、世間一般の常識では“野口が”とか“主人が”とか書くべきで、先生と言うのは可笑しいといわれたが、もしそう書かなければならないとしたら、私には全く文章が書けなくなってしまう。
 おそらく孫悟空が、きん斗雲に乗って空の涯まで行って来たつもりでも、ついにお釈迦さまの掌から出られなかったように、宇宙自然の息に生きることを技術の根底においた先生の整体の思想から一歩も出られないことを、私自身が一番よく知っているからかもしれない。
 そんな私の心の記録として読んで戴きたいと思う。(本書「序」より)

単行本
判型:A5判(148×210)
354頁