ブッククラブ回 Online Store

  • ゲド戦記3 さいはての島へ

ゲド戦記3 さいはての島へ

836(税込)

数量

アーシュラ・K・ル=グウィン
岩波書店
ロークの長としてアースシーを治める大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れをじっと待っているようだと。一体何者のしわざか。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅立つが、なかなか正体はわからない。ゲドは覚悟を決める。

著者は、SF作家として知られている。父に著名な文化人類学者、母に作家を持つことからも、その広い思想の底辺がわかるだろう。『ゲド戦記』は、彼女の集大成と言ってもよい、深い思想と構想力に支えられた、空想物語である。主人公のゲドは魔法使いだ。生まれた時から、不思議な力を身に秘めている。しかし、力があれば、それだけ大きな危険を抱えているということでもある。エゴとアイデンティティ。世界との関係性。この「自分」という個をめぐる軋轢に、登場人物たちは対峙してゆく。自由になることの意味。その難しさ。不思議なことに、彼らは成熟すればするほど、何気ない存在へと変貌していくのだ。

単行本(ソフトカバー)
366頁
2009年2月17日
ISBN:9784001145908