春秋社
本書は、変容と癒しについて、心理学、哲学、宗教、霊性の観点から幅広く見渡している。著者は、医学部に学んだ細胞学者であったが、瞑想との出会いをきっかけとして、心身医学、臨床心理学に転身し、心身ともに癒し、回復や立ち直りをサポートする「マインド/ボディ・クリニック」というプログラムを主宰してきた。
その癒しの技法は、祈り、瞑想、サイコセラピー、前世療法、先住民やシャーマンの儀式、LSDなど、伝統宗教や先住民の文化、東洋の哲学と現代科学を融合する、視野の広いものだ。本書の中に紹介される、心惹かれる技法や療法をより詳しく探求するという読み方も良いかもしれない。この本の魅力の一つは、十歳で強度の恐怖という精神異常を経験したという著者の等身大の人間性が透けて見える、親しみやすさ。実体験もふんだんに織り込まれ、文章も読みやすい。なぜ悪いことが起きるかについての私たちの信念や、恐怖についての考察も興味深い。また、巻末では実際的な戦略が提案されており、自分を慈しむ行為が日常生活の中で気軽に実践できそうだ。
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単行本