紀伊國屋書店
「沖仲仕の哲学者」エリック・ホッファーは、参加する人達の負の心理から大衆運動というものが立ち上がる事を紐解いた。参加するのは自己の価値を見失った人々で、集団化が更に個性を奪う。創造性を持てば人は現在を軽視しないと、彼は説く。ホッファーの独特で率直な視点は、ネット社会において大衆運動が形を変えた現代においても示唆に富む。
《目次》
序文
第1部 大衆運動の魅力
第1章 変化を求める欲望
第2章 身代わりを求める欲望
第3章 大衆運動の互換性
第2部 運動に参加する可能性のある人々
第4章 社会における好ましからざる人々の役割
第5章 貧困者
第6章 不適応者
第7章 極端な利己主義者
第8章 無限の機会を前にした野心家たち
第9章 少数派
第10章 退屈した人々
第11章 犯罪者たち
第3部 統一行動と自己犠牲
第12章 序
第13章 自己犠牲を促進する要因
第14章 統一の原動力
第4部 運動の発端から終焉まで
第15章 言論人
第16章 狂信者たち
第17章 実務的な活動家
第18章 良い大衆運動と悪い大衆運動
【著者】エリック・ホッファー(Eric Hoffer)
1902年、ドイツ系移民の子としてNYに生まれる。7歳から15歳まで失明状態に陥り、正規の学校教育はまったく受けていない。視力が戻ってからは農園や金鉱、港湾などで働きながら、暇をみつけては読書や思索にふけり、1951年に処女作となる本書を発表、大反響を呼んだ。その後も65歳で引退するまで沖仲仕として働き続け、1964年から数年間はカリフォルニア大学バークレー校で政治学の講義も行った。1983年逝去。アメリカ大統領自由勲章受章。著書に『エリック・ホッファー自伝――構想された真実』(作品社)、『波止場日記――労働と思索』(みすず書房)、『現代という時代の気質』(ちくま学芸文庫)ほかがある。
単行本(ソフトカバー)
判型:四六判
292頁
2022年2月4日
ISBN:9784314011891