講談社
「吾(われ)幽囚の罪人と雖(いえ)ども、悪んぞ国家の衰乱、夷狄(いてき)の猖獗(しょうけつ)を度外に置くを忍びんや」、国家の多難を前に、国の運命を担う責務から逃避する道はない。獄中にあれば獄中の人として、これに参ずる道を発見せずんば止まぬ21回猛士吉田松陰は、「余が一室に幽囚して、広大を致す如きは、学の力のみ」と、遂に『孟子』の全講を終えた。行動力の人であると同時に天性の教育家だった彼のこの情熱が『箚記』の紙表に溢れて、人の心を打つ。
※出版社サイトより
文庫
646頁
1980年10月7日
ISBN:9784061584433