キャロライン・ブレイジャー
コスモス・ライブラリー
人間の心を理解する手段として、西洋心理学は高度な体系を築いてきた。しかし、現実には、心の底に根強く残る問題を解決できないことがある。たとえば、嗜癖や強迫的な行動などは、姿を変えながら何度でも魔物のようによみがえる。本書は、心のしくみを仏教の教えに照合しながら考える試みだ。仏教の基本教義である五蘊（ごうん）や縁起を、「自己＝牢獄」の生成プロセスとしてとらえている。このように仏教的な視点から心の問題を見ることで、心理学では解決しきれなかった問題に別のアプローチが可能だということが見えてくる。著者は、『禅セラピー』の著者である夫のデイビッド氏と共に、セラピスト兼仏教修行者として活躍する心理学者だ。心理学と仏教の統合という大きなテーマに対し、真摯に臨む姿が感じられる。
単行本(ソフトカバー)
判型:A5判(148×210)
407頁
2006年12月12日
ISBN:9784434087387