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死は存在しない

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最先端量子科学が示す新たな仮説
田坂広志
(株)光文社
死んだら人はどうなるのか?これまで多くの哲学者や宗教家がこの問いに様々な考えや世界観を提示してきた。著者は、最先端量子科学は、死後の世界の可能性を示唆しており、それはゼロ・ポイント・フィールド仮説というもので説明できると語る。また、人生で起こる直観やシンクロニシティ、コンステレーションといった不思議な出来事も、この仮説で説明できるというのだ。原子力工学を専門とする科学者でもある著者が、現代科学の限界を伝えるくだりはわかりやすい。後半はトランスパーソナル心理学や仏教などを引用し、著者の死生観をゼロ・ポイント・フィールド仮説を用いて具体的イメージとして展開する。後半が推論の域を出ない点は、賛否両論あるだろうが、著者自身、肉親を亡くし深い悲しみや苦悩から死生観を得て「『光』を得た」とあるように、自分が心安らぐ、あるいは納得できる死生観を誰もが自ら考え選ぶことができる。その思索を深める参考になるのではないだろうか。




新書
判型:新書判(113×176)
357頁
2022年10月30日
ISBN:9784334046309