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伯家神道の道統

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永川辰男
山雅房
明治期に入るまで、宮中祭祀の一部 (白川家邸内の祝部殿)に奉仕していた祝女(はふりめ)が自らの境地を高めるために研鑽した行法が俗称の〝伯家神道〟である。もちろん、宮中祭祀そのものではなく、宮中祭祀周辺の行法といえよう。

昭和27年生まれの著者・永川は皇學館大學卒業後、琵琶湖畔の近江神宮に神職として奉職する。そこで伯家神道と出会う。
実は、宮中祭祀の一部(白川家邸内の祝部殿)を守ってきたのが白川伯王家に仕えた巫女(みこ)である。この巫女が自らの霊性を高めるために修した行法(お道の行)が、現在では略されて〝伯家神道〟と呼ばれている。

明治に入ると白川伯王家はお役御免となったが、このとき、行法の一部が民間の高濱清七郎などに受け継がれた。高濱の血統が〝和学教授所〟として〝お道の行〟を守ってきたが、途中で門人たちの一部が、自らの団体を旗揚げする。

それ以来、いくつかの支流は和学教授所の行法を〝宮中祭祀の本体〟にまでかってに昇格させて、最近では「聖上に〝祝(はふり)の神事〟を修した」などという不敬妄言を口走るようになる。著者はこの欺瞞にやんわり苦言を呈した。(出版社紹介より)


- 目次 -
目次 『伯家神道の道統』
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【第一章 伯家神道の流れ】
伯家神道の名称/白川家の家名/伯王の始まり/白川伯王家の始まり/白川家と吉田家の対立/江戸時代の白川家/神祇官の廃止

【第二章 和学教授所の設立】
和学教授所の設立/高濱清七郎の謎/白川家との関わり/高濱清七郎の人物像

【第三章 和学教授所の道統】
白川資長/第二代所長・ 宮内忠政/第五代所長・ 中村新子/和学教授所の運営に尽力した石井鹿之助/戦後の和学教授所/大津時代の中村新子/大和本学 ・小笠原義人/第六代所長・ 安見晴子/高濱家当主・ 高濱浩/和学教授所理事・ 新宮幸勝

【第四章 伯家神道伝承奉賛会の設立】
言霊普及会の設立/伯家神道伝承奉賛会設立までの流れ/伯家神道伝承奉賛会になるまで

【第五章 伯家神道は存在するのか?】
そもそも伯家神道は存在するのか?/白川家管轄の祭祀/白川家は審神神事を行なっていたか/高濱清七郎は本当に伝授されたのか/和学教授所と大和本学の行法の違い/審神(さにわ)神事と祝(はふり)の神事

【第六章 これからの伯家神道】
息吹呼吸法とは/他



単行本(ソフトカバー)
判型:四六判
240頁
2022年2月11日