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  • 弘法大師空海のことば100

弘法大師空海のことば100

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行動と教え
福田亮成
法蔵館
空海の遺した著作から「ことば」を選び、史実から現代までの幅広い主題と合わせて、真言宗僧侶の観点から、現代にも通ずる弘法大師空海の教えを読み解く一冊。今、生きる人へ届けたい、百のことば。

【 目次 】
はしがき

●おもう
道を学することは当に衣食の資に在るべし『性霊集』第十(定八・一八九)
朝夕涙を流し 日夜に慟を含むと雖も、亡魂に益なし『性霊集』第八(定八・一四五)
一たび鐘を打たむ声ごとに、当に願わくば 衆生三界の苦を脱れて 菩提を得見せしむべし『性霊集』第九(定八・一七二)
病人もし医人を敬い、方薬を信じて 心を至して服餌すれば 疾、すなわち徐癒す『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一三八)
哀なる哉 哀なる哉 復、哀なる哉 悲しき哉 悲しき哉 重ねて悲しき哉『性霊集』第八(定八・一四〇)
毒箭を抜かずして空しく來る処を問い、道を聞くとも動ぜずば、千里を何が見む『性霊集』第十(定八・二〇四)
身病を治するには必ず三の法に資る 一には医人 二には方経 三には妙薬なり『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一三七)
本に背きて末に向い 源に違して流に順ずる『吽字義』(定三・五九)
空海、私願契有って、暫く山門を出でず。此の法縁に限られて馳せて看ることを遂げず。『高野雑筆集』巻上(定七・一〇七)
強壮は今朝 病死は明夕なり『教王経開題』(定四・九五)
前生に善を修して今生に人を得 この生に修せずんば還って三途に墜ちなん『秘蔵宝鑰』巻上(定三・一二一)
諸の弟子らに語ぐ、およそ出家修道の本いは仏果を期す、いかにいわんや人間の少々の果をや『遺誡』(定七・三九二)
真俗離れずというは我が師の雅言なり『性霊集』第十(定八・一八九)
朝な朝な夜な夜な、衣食の奴に労し、年年月月に、恩愛の縄に繋がる『性霊集』第八(定八・一四七)
師師伏膺して口に随がって心に蘊み 弟弟積習して宗に随がって談を成ず『弁顕密二教論』第上(定三・七七)
刹は妙薬の刹に均しく 人は不変の人に同じからん『性霊集』第七(定八・一〇九)
始あり、終あるは、これ世の常の理なり。生ある者は必ず滅す、すなわち人の定まれる則なり。『性霊集』第八(定八・一四三)
貧道帰朝して多年を歴といえども 時機未だ感ぜざれば 広く流布すること能わず『性霊集』第九(定八・一七六)
生の苦、死の苦、老の憂、病の痛、貧の苦、財の苦、八苦我れを迫めて三途吾を煮る『平城天皇灌頂文』(定五・一九)
俗家にはこれを賀して酒会す。方袍何事をか是なりとせん 如かじ、目を閉じ端坐して仏徳を思念せんには。『性霊集』第三(定八・四三)
道は自から弘らず 弘ること必ず人による『付法伝』第一(定一・六七)
任重く人弱くして 夙夜に陰を惜む『性霊集』第五(定八・八一)
性熏を勧めて還源を思とす。径路未だ知らず、岐に臨んで幾たびか泣く。『性霊集』第七(定八・一〇八)

●もとめる
逝者は化して金剛の躬となり 留人は変じて如意の身とならん『性霊集』第七(定八・一二〇)
心暗きときは、即ち遇う所悉く禍なり 眼明なるときは、則ち途に触れて皆な宝なり『性霊集』第八(定八・一三七)
御する人なければ遠きに致すこと能わず 柁の師なければ深きを越ゆること能わず『性霊集』第十(定八・一九一)
某乙、法縁に限られて、星弄して訴曳することあたわず『高野雑筆集』巻上(定七・一〇四)
自仏を顕証せんがための故に、勤めて三密の観を勤修し、他の衆生のための故に、普ねく行願門を修す『平城天皇灌頂文』(定五・二二)
過をなす者は暗く福をなす者は明なり、明暗偕ならず、一は強く、一は弱し『性霊集』第八(定八・一五三)
貧道、黙念せんが為に 去月十六日来って この峯に住す『高野雑筆集』巻下(定七・一二七)
我れ今いかんが淤泥に貪恋して 正行を起こさざらん『秘密三昧耶仏戒儀』(定五・一六六)
経を読み仏を礼しては 国家の恩を報じ、観念坐禅しては 四恩の徳に答う『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一三五)
法身何くんかある 遠からずして即身なり 智体いかんぞ、我が心にはなはだ近し『性霊集』第七(定八・一一七)
よろしく汝等二三子ら つらつら出家の本意を顧みて、入道の源由を尋ねよ『性霊集』第九(定八・一八三)
空海、葦 に生れて躅水に長ぜり。器はすなわち斗 、学はすなわち盆を戴く。『性霊集』第五(定八・八三)
もし阿字門に入らば ことごとく一切の相を離る 離相の相は相として具せざるということなし『十住心論』第三(定二・一四五)
衣鉢竭き尽きて人を雇うこと能わず。食寝を忘れて書写に労す。『性霊集』第五(定八・八四)
もし、本尊をもって本とすれば、われをもって影となすべし われをもって本とすれば、本尊をもって影となすべし『秘蔵記』(定五・一二八)
五大の所造、一心の所遍、鱗角羽毛の郷、飛沈走躍の県、同じく四生の愛輪を破して共に一真の覚殿に入らむ『性霊集』第八(定八・一三〇)
大方の教海を决って 東垂の亢旱に灌がんと思欲う『性霊集』第五(定八・八三)
時の人の乏しきに逢って留学の末に わる『性霊集』第五(定八・八一)
道は人無ければ則ち壅がり 教を演ぶこと無ければ廃る『性霊集』第十(定八・一九一)

●であう
本心は主、妄念は客なり。本心をば菩提心と名け、亦は仏心と名け、亦は道心と名く。『一切経開題』(定四・二七二)
無畏三蔵は、王位を脱 し 金剛親教は、盃を浮べて来り伝う『性霊集』第二(定八・三五)
諸尊其の数無量なり、その無数の仏は則ち一衆生之仏なり『平城天皇灌頂文』(定五・二二)
虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば 我が願いも尽きん『性霊集』第八(定八・一五八)
ここに一の沙門あり 余に虚空蔵の聞持の法を呈す『三教指帰』(定七・四一)
台鏡瑩き磨いて機水に府応する者、沙門勝道という者あり『性霊集』第二(定八・二二)
我と汝と久しく契約ありて、誓って密蔵を弘む『御請来目録』(定一・三八)
時至り人叶うときは道無窮に被らしむ 人と時と矛盾なるときは、教、即ち地に墜つ『性霊集』第五(定八・八二)
我れ先に汝が来ることを知りて相待つこと久しかりつ『御請来目録』(定一・三五)
谷響を惜まず 明星来影す『三教指帰』序(定七・四一)
爰に一りの上人有す 号して大遍照金剛という『性霊集』序文(定八・三)
大虚、心なけれども、万有、これに容る。大地、念いなけれども、百草、これより生ず。『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一四三)
自心の天・獄たることを知らず 豈に唯心の禍 を除くことを悟らんや『秘蔵宝鑰』巻下(定三・一五一)
日羅は智なり、鉢納 は理なり 智はよく物を照らす功あり 理は摂持して乱るることなし『性霊集』第八(定八・一二九)
それ水は器に随って方円し 物に逐うて清濁なり『付法伝』第一(定一・七一)
法に任せて控馭すれば 利益甚だ多し 法を枉げて心に随えば 罪報極めて重し『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一四〇)
風葉に因縁を知る 輪廻幾の年にか覚る『般若心経秘鍵』(定三・九)
飛白の書一巻 またこれ在唐の日 一たびこの体を見て試みにこれを書す『性霊集』第四(定八・五五)
痛狂は酔わざるを笑い 酷睡は覚者を嘲る『般若心経秘鍵』(定三・三)
人を導くものは教なり 教を通ずるものは道なり『性霊集』第十(定八・一九一)
妙法蓮華経観世音菩薩 普門品とは、すなわち、これ観自在菩薩の四種曼荼羅身を表す『法華経釈』(定四・二〇六)
問う、この塔は人功の所造なりとやせん はたいかん。答たう、この塔は人力の所為にあらず、如来神力の所造なり。『付法伝』第二(定一・一一六)
顕教の談ずる所の言断心滅の境とは 謂わゆる法身毘盧遮那内証智の境界なり『弁顕密二教論』巻下(定三・一〇〇)
過を恕して新たならしむ これを寛大といい、罪を宥めて臓を納るる これを含弘と称す『性霊集』第四(定八・六六)
いま秘密というは 究竟最極の法身の自境なり これをもって秘蔵となす『弁顕密二教論』巻下(定三・一〇九)
高山深嶺に四禅の客乏しく 幽藪窮巌に入定の賓希なり『性霊集』第九(定八・一七〇)
境は心に随って変ず、心垢れるときは境濁る。心は境を逐って移る。境閑なるときは心朗らかなり、心境冥会して道徳玄に存す。『性霊集』第二(定八・二一)
それ 螟は、大鵬の翼を見ず  蜒何ぞ難陀が鱗を知らん『秘蔵宝鑰』巻中(定三・一三一)
譬えば線をもって花を貫きて 乱さず堕さざるがごとく かくのごとく、よく教えの線をもって人天の花を貫きて三途に乱堕せず『金剛頂経問題』(定四・八四)
先師に聞けり、色を孕む者は空なり。空を む者は仏なり。『性霊集』第八(定八・一三一)
仏日の影、衆生の心水に現ずるを加といい、行者の心水よく仏日を感ずるを持と名づく『即身成仏義』(定三・二八)
妄心流転とするを即ち衆生染汗の身と名け 開発照悟するを即ち諸仏の清浄法身と名く『秘密三昧耶仏戒儀』(定五・一六六)
それ釈教は浩汗にして際なく涯もなし 一言にこれを蔽すればただ二利のみ在り『御請来目録』(定一・三八)
貧を済うに財を以てし、愚を導くに法を以てす。財を積まざるを以て心とし、法を まざるを以て性とす。『性霊集』第二(定八・三三)

●よろこぶ
若し謂く衆生にまた本覚法身有り 仏と平等なり、此の身、此の土は法然として有なるのみ『声字実相義』(定三・四八)
星のごとく玉のごとくして黄金の質なり 香味は に実てるに堪えたるべし『性霊集』第四(定八・六一)
即身成仏の四字を歎ず 即ち是の四字に無辺の義を含ぜり 一切の仏法はこの一句を出でず『即身成仏義』(定三・一九)
三等の法門は仏日に住して常に転じ、秘密の加持は機水に応じて断ぜず『性霊集』第七(定八・一〇八)
彼の身即ち是れ此の身 此の身即ち是れ彼の身 仏身即ち是れ衆生の身 衆生の身即ち是れ仏身なり『即身成仏義』(定三・二八)
東西は龍の臥せるが如くして東流の水有り 南北は虎の踞まるが如くして棲息するに興有り『性霊集』第九(定八・一七一)
六大無碍にして常に瑜伽なり 四種曼荼各々離れず 三密加持して速疾に顕わる『即身成仏義』(定三・一八)
不変の変は刹塵に遍じて物に応ず 応物の化は沙界に満ちて人を利す『性霊集』第八(定八・一三四)
加とは、諸仏の護念なり 持とは、我が自行なり『秘蔵記』(定五・一四九)
如来の教勅に依って最上の智慧をもって乗の差別を簡んで菩提心を発すべし『三昧耶戒序』(定五・七)
少年の日、修渉の次で、吉野山を見て南に行くこと一日、更に西に向かって至ること二日程にして一の平原あり、名づけて高野という。『高野雑筆集』巻上(定七・一〇〇)
大同の初年、乃ち着岸することを得て、即ち将来するところの経及び仏等、使の高判官に附して表を修し 奉進し訖んぬ『高野雑筆集』巻上(定七・一〇七)
必ず彼比の至誠によって すなわち感応を致す『高野雑筆集』巻下(定七・一二三)
空海、大唐より還るとき数々漂蕩に遇いて聊か一の少願を発す『高野雑筆集』巻上(定七・九九)
ただ空海のみ孑然として勅に准じて西明寺の永忠和尚の故院に留住す『御請来目録』(定一・三五)
遠きを柔くるの恵を垂れ 隣を好するの義を顧みて その習俗を從にして 常の風を怪しまざれ『性霊集』第五(定八・八〇)
少欲の想いはじめて生じ 知足の心やや発る『十住心論』第二(定二・六一)
身は花とともに落つれども 心は香とともに飛ぶ『性霊集』第八(定八・一三一)
遠くして遠からざるは すなわち我が心なり 絶えて絶えざるは これ吾が性なり『性霊集』第六(定八・九四)
春の華、秋の菊、笑って我に向えり、暁の月、朝の風、情塵を洗う『性霊集』第一(定八・一七)
顕教はすなわち三大の遠劫を談じ、密蔵はすなわち十六の大生を期す『御請来目録』(定一・一八)
この法はすなわち仏の心 国の鎮なり。氛を攘い、祉いを招くの摩尼、凡を脱れ聖に入るの 径なり『性霊集』第五(定八・八六)
六塵はよく溺るるの海 四徳は帰する所の岑なり 已に三界の縛を知んぬ 何ぞ纓簪を去てざらん『三教指帰』巻下(定七・八六)
心を洗うて香とし、体を恭しんで花とす『性霊集』第八(定三・一五三)

一言用語解説・索引

単行本(ソフトカバー)
判型:四六判
236頁
2023年3月21日
ISBN:9784831860729