岡本太郎
光文社
「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。高みにあるのではなく、全ての人へと開かれた氏の作品そのもののように、美術評論書でありながら「です、ます」調の敬体で書かれた本書は、読む人に直接語りかけるような熱と親しみに溢れている。1954年の初版刊行時の序文に書かれた、「古い日本の不明朗な雰囲気をひっくり返し」という言葉。それが今果たされたのかどうか、自らに問いたくなる。
文庫
324頁
2022年7月20日
ISBN:9784334793111