筑摩書房
承認欲求とは、私たち人間すべてが持っている欲求のひとつ。これは 現代型うつ、ひきこもりなどの様々な精神の病、現代社会の問題にも関わっている要因の一つだ。学校生活のコミュニティ内での上下関係を筆頭に、スクールカーストなどの序列化や、自分が自分であることを必ずしも許されない環境で、居場所を守るための「承認」という現象。これらは他者に認められたい、そうすることでしか自分を愛せない彼らの、自分を保つ手段なのだろう。本書では「承認」の物語から、「依存」の問題、精神の病が引き起こす反社会的行動、子供が育つ家庭環境の大切さと影響力に触れている。現代の若年から子供を持つ幅広い世代に訴えかける内容だ。精神科医の著者が、現代の若者の抱える心の闇へ切り込む。
文庫
352頁
2016年12月7日
ISBN:9784480433954