創元社
映画監督でも知られるデレク・ジャーマンは、その性と暴力を扱った作品とは裏腹に、私生活では、原子力発電所に面した荒涼とした石だらけの原野に、貝、流木、古道具、原生植物などを用い天国のようなすばらしい庭を築き上げた。本書は、彼が死を迎えるまでに、庭がどのように作られていったのかを本人が記録したもの。
《著者紹介》
デレク・ジャーマン(Derek Jarman)
1942年ロンドン生まれ。画家、舞台美術家、映像作家。1960年代にはフレデリック・アシュトンと担当した『ジャズ・カレンダー』(1968)やケン・ラッセルと担当した『ザ・レイクス・プログレス』を含む舞台のセットと衣装デザインをおこなう。映像媒体での作品は70年代から90年代にわたる。この期間に『ジュビリー』(1977)、『カラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ガーデン』(1990)、『ブルー』(1993)などの映画を制作した。著書に『ダンシング・レッジ』(1984)、『デレク・ジャーマンのカラヴァッジョ』(1986)、『ザ・ラスト・オブ・イングランド』(1987)のほか 、自伝的な『モダン・ネイチャー』(1991)がある。1994年エイズ合併症により逝去。
ハワード・スーリー [写真]
山内朋樹(やまうち・ともき)
1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭や美術作品をはじめとする制作物のかたちの論理を、物体の配置や作業プロセスの分析から探究している。著書に『庭のかたちが生まれるとき』(フィルムアート社、2023年)、共著に『ライティングの哲学』(星海社、2021年)、訳書にジル・クレマン『動いている庭』(みすず書房、2015年)。
※著者紹介は書籍刊行時のものです。
単行本
判型:B5変判
148頁
2024年4月11日
ISBN:9784422731452