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忘却の効用

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「忘れること」で脳は何を得るのか
スコット・A・スモール 著、寺町朋子 訳
白揚社
認知機能、創造力、メンタルヘルス、人格形成、そして記憶にも、「忘れること」が必要だった。従来の研究では、物忘れは脳のエラーと考えられていた。しかし、近年になって「忘れること」には脳機能を支える重要な役割があることが分かってきた。過剰に記憶力がいい自閉症の症例から、忘却の役割について何がわかるか? 暗記が苦手な医師が、どうして名診断医になれたのか? 認知症の画家の作品から、創作と忘却の関係について何が言えるか? 記憶と忘却はパーソナリティにどんな影響をおよぼすのか? 神経生物学、医学、心理学、コンピューター科学などの分野の知見をつなぎ合わせて、脳の機能としての〈忘却〉にまつわる驚きの発見を描いた、出色のポピュラーサイエンス。(出版社紹介より)


《目次》
プロローグ
第一章 覚えることと忘れること
第二章 平穏な心
第三章 解放された心
第四章 恐れを知らぬ心
第五章 晴れやかになる心
第六章 謙虚な心
第七章 みんなの心
エピローグ 病的な忘却
謝辞
訳者あとがき
原注

《著者紹介》
スコット・A・スモール
コロンビア大学神経精神科学教授、同大学アルツハイマー病研究センター・ディレクター。アルツハイマー病および認知機能の老化を専門としており、記憶と記憶障害について140篇以上の論文を発表している。著者の業績は『ニューヨーク・タイムズ』紙や『ザ・ニューヨーカー』誌、『タイム』誌で紹介された。イスラエル育ちで、現在はニューヨーク市在住。

《翻訳者紹介》
寺町朋子
翻訳家。京都大学薬学部卒業。企業で医薬品の研究開発に携わり、科学書出版社勤務を経て現在にいたる。訳書にスペクター『歪められた食の常識』、キャロル『科学が暴く「食べてはいけない」の 』、ハリス『生命科学クライシス』、デステノ『信頼はなぜ裏切られるのか』、ズデンドルフ『現実を生きるサル 空想を語るヒト』(以上白揚社)、トリー『神は、脳がつくった』(ダイヤモンド社)、キルシュ&オーガス『新薬という奇跡』(早川書房)ほか多数。共訳書にイーバン『ジェネリック医薬品の不都合な真実』(翔泳社)などがある。

単行本(ハードカバー)
判型:四六判
254頁
2024年5月9日
ISBN:9784826902588