みすず書房
ひとり出版社「夏葉社」の創業者によるエッセイ集。子供時代から読書に苦労した学生時代、独立系出版社の立役者となった現在までの読書体験と本を取り巻く日々、忘れがたい出来事が飾ることなく綴られ、本好きならきっと頷くエピソードと出会えるのではないだろうか。「何度も読み返される本」作りへの真摯な姿勢は、本や人々の人生への丁寧な眼差しに表れ、読む人の眼差しにもあたたかな変化をもたらしてくれるようだ。
【目次】
・本を読むまで
本を読むまで
大きな書棚から
家に帰れば
『追憶のハイウェイ61』
バーンズ・コレクション
江古田の思い出
遠藤書店と大河堂書店
大学生
『風の歌を聴け』
本を読むコツ
文芸研究会
Iさん
すべての些細な事柄
「アリー、僕の身体を消さないでくれよ」
大学の教室で
・本と仕事
『言葉と物』
『なしくずしの死』
『ユリシーズ』がもたらすもの
沖縄の詩人
リフィ川、サハラ砂漠
遠くの友人たち
『魔の山』
H君
団地と雑誌
本づくりを商売にするということ
「ちいさこべえ」と「ちいさこべ」
アルバイトの秋くん
・本と家族
リーダブルということ
『アンネの日記』
『彼女は頭が悪いから』
子どもたちの世界
宿題
ピカピカの息子
声
そば屋さん
山の上の家のまわり
長い読書
【著者紹介】
島田潤一郎
しまだ・じゅんいちろう
1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指す。2009年、出版社「夏葉社」をひとりで設立。「何度も、読み返される本を。」という理念のもと、文学を中心とした出版活動を行う。著書に『あしたから出版社』(ちくま文庫 2022)、『古くてあたらしい仕事』(新潮文庫 2024、近刊)、『90年代の若者たち』(岬書店 2019)、『本屋さんしか行きたいとこがない』(同 2020)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング 2020)、『電車のなかで本を読む』(青春出版社 2023)がある
単行本
判型:四六判
256頁
2024年4月16日
ISBN:9784622096986