ブッククラブ回 Online Store

  • 十二支考(下)

十二支考(下)

1,166(税込)

数量

南方熊楠
岩波書店
犬と猫はなぜ仲が悪いのか。人や他の動物の寿命はどのように決まったか。猪と蝮の関係は? ……それからそれへと興味つきない話の数々。一見、好事趣味の暇つぶしのようだが、古い文化の探求と歴史解釈への有用な道具であり、細分化された学問にはない全人性と健康が感じられる。下巻には羊、猴、鶏、犬、猪、鼠の各篇を収録。(解説 宮田登) 

■内容紹介
 難解と言われる南方熊楠の世界は、学問領域としては自然科学のうちの生物学と、人文科学のうちで民俗学が代表格にあり、両者の巧みな融合から独特な魅力がもたらされている。さまざまな主題がそこに展開するうちで、本書はもっとも民俗学的な話題にあふれており、南方が読破してきた古今東西にわたる文献類のうちで、人間と動物・植物との交流を表現する記事を、文字通り縦横無尽に駆使しながら、人獣交渉の民俗誌を世界大的な広がりのなかで浮彫させている。
 『十二支考』というように十二種の動物、もっとも牛は書かれていない。書誌的には、1914年1月から十年間にわたり、雑詩「太陽」に連載された。1914年が寅年なので、第一回目は虎となっている。十二支は中国から伝来した知識であるが、それは日本人の日常生活に深く浸透しており、本書でも十二支にちなむ動物たちが言あげされる。そうした世間の需要に応えるように、南方もかなり読者にサービスして、該博な知識をたっぷり紹介しており、興味あふれる内容なのである。
(「解説」より) ―出版社紹介より

文庫
406頁
1994年1月17日
ISBN:9784003313923