野中根太郎
誠文堂新光社
無知であれ、弱者であれ。
無力を知ってこそ、自由に生きることができる。
「無知無欲であれ、無為であれ」
「足るを知るものは富む」
孔子の『論語』が儒教の根底思想として親しまれてきたのに対し、『老子』は道家の神髄を説いて人々に寄り添ってきた。
ともに2500年以上の歴史の検証に耐えてきた思想書である。
自己研鑽し、学問を通して知識を増やすことは、かえって人間を不幸にする。
現代も推奨される「勝ち残り」社会を強く否定する老子の思想は、いつの時代にも人々の心を癒し、そして弱者を鼓舞してきた。
格差が広がり、人々の価値観が揺らぐ現代にこそ、老子の思想が必要とされている。
本書では全文の現代語訳、書き下し文、原文に加え、【一文超訳】を掲載。
テーマは何か、主旨は何かが一目で把握でき、格言のように心に刻まれるので、「老子」の理解が飛躍的に向上する。
また、主要な人名や語句には懇切丁寧な注釈を入れた、現代の完全版である。
単行本
判型:46判(127×188)
216頁
2019年2月5日
ISBN:9784416519110