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  • 神と人のはざまに生きる

神と人のはざまに生きる

3,960(税込)

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近代都市の女性巫女
アンヌ・ブッシィ
東京大学出版会
20世紀の大阪、稲荷神・狐の神さまである「白高(シラタカ)」からのお告げをうけた一人の女性。彼女に憑依するさまざまな神々と助けを求める人びととの仲立ちとして、彼女は激動の時代を巫者として生きぬいた。日本近代の豊穣な民間信仰の姿を生き生きと描き出す。―出版社紹介より


【目次】
日本語版への序
プロローグ――一九八三年、大阪、天王寺区

1 玉姫の契り
大阪の玉姫社

2 ままならぬ世
失明後、お滝の道へ

3 村での神がかり
滝と狐
狐、稲荷と女系と
二重系譜の宿命
白高の荒々しさ――夫の死と父の怒り
出立

4 火と水、地と空
稲荷山の滝に打たれる夜
水の霊力
「三年の修行すれば、子供とともに暮らすようにしてやる」

5 仲立ちの世界にて
龍の尾と滝寺の道場
「私の旦那、白高さん」――神という存在
憑依の内と外

6 崩壊と繁栄の渦巻きのなかで
天神山と天王寺地区の歴史
玉姫を取り巻く株屋、芸者、政治家、そして戦禍を被る人々
七年半の嵐――炎と灰の雨

7 神と人の間の交換手
鳴護摩と紙天
信者宅での神降ろし
諸祈願、病気平癒、憑物落しのさまざまな祈

8 オダイはあと三年
オダイの継承とシゲノの一代記

あとがきにかえて

シゲノの後、果てしない歩み――日本語版のために

解説『シラタカのお告げ』の現代的意義 (鈴木正崇)
参考文献
中井シゲノ年譜

【著者紹介】
アンヌ ブッシイ
フランス国立極東学院教授。16 年間日本に暮らして以来、今もフィールド・ワークと研究活動を日本で続け、日本の民俗宗教研究を専門としている。フランス国立極東学院のほか、トゥールーズ大学と社会高等研究院で宗教民俗学、日本民俗学と修験道の研究指導にあたっている。
主要著作に『捨身行者実利の修験道』(角川書店、1977年)、Les oracles de Shirataka (Philippe Picquier, 1992, R di-tion, Presses Universitaires du Mirail, 2005)、「神々は山を去っていくのか」(脇田晴子、アンヌ ブッシイ編『アイデンティティ・周縁・媒介』吉川弘文館、2000年)、《Du l gitime et de l'ill gitime dans le shugend 》(L gitimi-t s, l gitimations, A. Bouchy, G. Carr , F. Lachaud(eds.)、《 tudes th matiques》16, EFEO, 2005)、「神仏習合の系譜」(『宗教研究』Vol. 81、No. 2、2007年)などがある。

単行本(ハードカバー)
判型:四六判
292頁
2009年5月22日
ISBN:9784130132008