太陽の地図帖編集部 編
平凡社
グラフィック誌『太陽』に連なるビジュアルムック「太陽の地図帖」。「旅」をテーマに、様々なマンガ作品も取り上げており、今回の特集は画業60周年を迎えた青池保子の『エロイカより愛をこめて』だ。ほぼ恋愛ネタは出現せず、東西冷戦下に美術を愛する大泥棒と屈強な登場人物たちが攻防戦を繰り広げる姿は、当時の少女漫画界に大きなインパクトをもたらした。その作品世界を芸術や国際情勢などの視点からひも解く。このような深掘りを楽しめるのは、作品世界に奥行きがあってこそだろう。
【目次】
文=大庭三枝/池上英洋/杉山亮一/浅野和生/岡部いさく/児島宏子/鶴岡真弓/友井太郎/宮﨑かすみ(敬称略)
●特別巻頭口絵
『エロイカより愛をこめて』イラストギャラリー 青池保子の作画コメントつき
●対談
よしながふみ×青池保子「少女漫画の枠を超えて」
●ロングインタビュー
キャラクターとともに生きる 『エロイカより愛をこめて』と60年の漫画人生
●巻頭言
伯爵と少佐が躍動した〝新冷戦〟という時代
●『エロイカより愛をこめて』入門
・美術品泥棒と異色のスパイが東西冷戦下できらめく!性別、世代を超えて愛される長寿作品
・『エロイカより愛をこめて』登場人物図鑑/登場人物相関図
●登場人物で旅する『エロイカより愛をこめて』
【1】ドリアン・レッド・グローリア伯爵
伯爵の名の由来となった、オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』/イギリスの伯爵としての教養と、ジョルジョーネ
【2】クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐
なぜ、少佐はNATO(北大西洋条約機構)に所属しているのか?/王侯貴族の肖像画と、『紫を着る男』/タフなドイツと、少佐の〝ドイツ魂〟
【3】チャールズ・ロレンス
〝おちゃらけ〟ロレンスが背負う、大英帝国の黄昏
【4】仔熊のミーシャ
革命の貫徹を目指す大国ロシアと、一徹なミーシャ
【5】サーリム・アル・サバーハ
勃興するオイル・ダラーと、ハイパーリッチ/美術市場を席捲した中東と、その王族名家
●評論
・スパイは何のために働くのか?
・「インテリジェンス」を得るということ
・ナチス・ドイツの美術品略奪と、失われる名画
・怪盗エロイカも顔負け!? 映画のような名画盗難事件
・東郷かおる子が語る 『エロイカより愛をこめて』はロックだ!「レッド・ツェッペリン」とロックという熱狂
・滅亡したビザンチン帝国の輝きを求めて。「ビザンチン美術」が今に伝えるもの
・少佐の少佐たる所以を「ドイツ軍が登場する」映画にみる 正確に描かれた兵器やメカが、少佐と伯爵を輝かせる
・映画『007』シリーズへのオマージュを楽しむ
・「ケルト渦巻」の探求──死から再生するスパイラル
●コラム
伯爵が口ずさむ「千のキス」が予告するもの/三島由紀夫をも惹きつけた、聖セバスティアヌス/「NATO(北大西洋条約機構)」とは何か?/スイス・ルツェルンで中世の幻影を見る/豪華な手稿本とレオナルド・ダ・ヴィンチ/モスクワ・オリンピックのマスコット「ミーシャ」/スパイ並みの諜報戦が繰り広げられる、オークション
●特別寄稿
・俳優・村田充が語る ステージ『エロイカより愛をこめて』秘話
・軍事評論家・岡部いさくが見た『エロイカ』の創作現場
●名作地図
・「来た 見た 勝った!!」の舞台ローマと二人のルクレチア
・「皇帝円舞曲」の舞台オーストリア。会議は踊り、少佐も踊る
●青池保子 全作品初出誌&初収録単行本データ
単行本(ソフトカバー)
判型:B5判(182×257)
112頁
2025年2月28日
ISBN:9784582946338
