エリック・ルノワール
草思社
たまに目にする敷地から溢れんばかりの植木に囲まれた家屋。そこには境界の曖昧さから放たれる力が存在する。土地の区画のような、もとは必要とされて出来上がった枠組みも、そのほとんどが永久に機能するわけではない。フランスの団地で生まれ育った著者が、直線的なコンクリートの塊を美しくする方法を模索し生まれた、パンク・ガーデニングという考え方。予め与えられるものに抗うというパンクの精神がガーデニングと出会った時、植物たちの生命力がこれまでの境界を引き直していく。煽るだけでなく、実践時の困難点なども列挙された、意外と親切な新しいガーデニングの手引き。
【著者紹介】
エリック・ルノワール(Eric Lenoir)
景観デザイナー、造園家、園芸家、苗木商。パリ生まれ。パリ市立ブルイユ園芸学校卒業。景観設計と造園にエコロジー的視点を導入。植物が本来もつ生命力に注目して庭園の概念を根本的に改革し、自然のサイクルを尊重した新しい庭づくりを目指す。2018年、「Le concours Jardiner Autrement」(異なるやり方の園芸コンクール)優勝。2019年、本書でサン=フィアクル賞受賞。その他の著作に『Cr er simplement un bassin de jardin』(2013)、『Plantes aquatiques & de terrains humides』(2016)、『Le grand trait du jardin punk』(2021) 、『Manuel magique de mon jardin』(2025)などがある。2011年、ブルゴーニュに土地を購入し、実験的な庭園ル・フレリアルを開園。生物多様性の維持、資源保全などの問題に取り組むとともに、知識の伝達や教育啓蒙活動にも力を入れている。
【訳者紹介】
北代美和子(きただい・みわこ)
翻訳家。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻修士課程修了。日本通訳翻訳学会元会長。訳書にエルサ・モランテ『嘘と魔法』ジャン・ルオー『名誉の戦場』(以上、河出書房新社)、クレスマン・テイラー『届かなかった手紙』(文藝春秋)、ビリー・クルーヴァー『ピカソと過ごしたある日の午後』(白水社)、『シャルロット・ペリアン自伝』『イサム・ノグチ エッセイ』(以上、みすず書房)、フランチェスカ・スコッティ『亀たちの時間』(現代書館)、ロランス・コセ『新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ』ハンス・ウルリッヒ・オブリスト『未完の人生 ハンス・ウルリッヒ・オブリストは語る』(以上、草思社)ほか多数。
2026年8月4日
ISBN:9784794228512
