ジョン・ブラッドショー
NHK出版
頭では違うとわかっているのに、自分が思ってもみない行動をとってしまうことがある。何不自由ない生活のはずなのに、心にぽっかりと穴が空いているようで、それを埋めるためにアルコールや薬物依存に走ってしまう。このような現代人なら誰でも感じているような矛盾を、著者は「インナーチャイルド」の存在がそれを引き起こしていると示唆している。誰の心にも小さな子供である「インナーチャイルド」が存在するという考えは、今でこそ一般的であるが、発表当時はたいへんな話題となった。著者は、アルコール中毒の父親のいる機能不全の家庭で育ち、自らがアルコール中毒などに苦しめられた中でインナーチャイルドを見い出したと言う。子どもの時の傷ついた心や満たされなかった気持ちは、大人になって消えてしまったわけでなく、今も子どもとしての存在のまま、あなたの心の中で生きている。彼らには大人の論理は通用しない。理解し、受容し、愛してあげることしかできない。自分の中にいる子どもを抱きしめてあげた時、はじめてあなたは何かが変わってゆくことを感じるだろう。
単行本
判型:B6判
タテ186mm × ヨコ132mm
427頁
2001年2月24日
ISBN:9784140805787