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原初生命体としての人間

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野口体操の理論
野口三千三
岩波書店
「生きている人間のからだは、皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいるのだ」という独特の身体観を持つ著者。

自らの体の動きの実感から生み出された理論を述べる本書は、従来の身体観とはまったく違う視点を持っている。彼が考え出した体操は、基本的に体が気持ちいいと感じる方に動かしてゆくものだ。

筋肉に負荷を与えて無理に鍛えるのではなく、ただただ体の感覚に身をまかせという発想がおもしろい。そうしていくうちに、自然に体が育ち、人が言葉や頭で理解しようとしがちな物事を、体全体をつかって感じてみたり理解してゆくことが可能になる。

体を受けとめることを始点とし、自分の中から生まれたイメージを用いて体を整えていく。体は知性や精神とも深くつながっており、体が整っていかない限り、その先にも中々進めないものだ。

それまでの体操論に新しい視点をもたらした「からだの動きの実感を手がかり」に生み出された独創的な身体論。

文庫
297頁
2003年6月14日
ISBN:9784006030803