左右社
自分の意見を言い、行動することに感じる抵抗感とは一体何なのだろうか? 自分の不自由を表明することを「わがまま」と名付け、その「わがまま」を伝えあうことで、総員で社会を作り上げることを目指しつつ、自身を表明することで周囲から浮き立つことを極端に恐れる日本人の心理を社会学的にひも解いていく。エクササイズ付き中高生向け講座の体裁をとりながら、読むべきはまずは私たち大人である。
《目次》
はじめに
◎1時間目 私たちが「わがまま」言えない理由
わがまま=自己中?
日本が30人の教室だったら/「ふつう幻想」が「ずるい」をつくる/わがままは自己中ではない
意見を言うと浮いてしまう?
ふつうと平等はどこへ消えた?/グローバル化で「ばらばら」に/私のわがままはみんなの「それな!」/今のわがまま・昔のわがまま/違いからはじめて同じ根っこを探す/私、別に「かわいそう」じゃないし…
エクササイズ1 その人になってみる
エクササイズ2 あだ名ワークショップ
◎2時間目 「わがまま」は社会の処方箋
「わがまま」批判はどこからくるの?
わがまま下手な日本人/「批判するからには、別の案があるんだよね?」/「社会のためとか、意識高いよね(笑)」/「社会運動って、迷惑じゃないですか?」/「価値観の押し付けでしょ?」/「自己責任じゃないですか?」
それで、結局意味あるの?
わがままはきっかけづくり/自己満足でもいい/「わがまま」はアイドルの出待ち?/長い目で見てみる
エクササイズ3 20年前と今を比べてみる
エクササイズ4 変化を説明してみる
◎3時間目 「わがまま」準備運動
どこまで「わがまま」言ってもいいの?
アウトなわがまま・セーフなわがまま/わがままの背景を考える/わがままの落とし所?
伝え方が悪いと、話を聞く気になりません
過激な表現にひるまない/「おうち語」化に気をつける
「〇〇派」を超えて言葉を伝えよう
知らない人に教えてみる/イベントを大事にする/いろんな大人に会う/大学に行ってみよう/「中立」も「偏り」も、そんなにこだわることじゃない/「うちの地元に大学はねえよ」/人をカテゴライズしない
エクササイズ5 「おうち語」を翻訳する
◎4時間目 さて、「わがまま」言ってみよう!
社会的「わがまま」のススメ
モヤモヤで「わがまま」キックオフ/わがままは、直接相手に言わない/伝えるための工夫/趣味の雑誌を読もう
もっと気軽にできる方法はありませんか?(やっぱり恥ずかしいし)
ちょっと文化系なわがままが好きな人に/代わりのものをつくってみる/買う・選ぶもわがままのうち/こっそりやってみる
気が向かないときはやめてみる
遠くに行ってやってみる/うまく行かなくても気にしない/自分をカテゴライズしない
エクササイズ6 モヤモヤするものを探す
エクササイズ7 署名を呼びかけてみる!
◎5時間目 「わがまま」を「おせっかい」につなげよう
他人のことでも「わがまま」言っていい
「うち」と「よそ」はつながっている?/よそ者だからできることがある/よそ者がいると「その人」が目立たなくなる/よそ者資源が役に立つ/だれだっていつかはよそ者になる。でも、それでいい/わがままで遊ぼう!
おわりに
本書に出てくる読みもの一覧
「わがまま」入門ブックリスト
単行本(ソフトカバー)
判型:四六判
276頁
2019年4月30日
ISBN:9784865282306